《グルーヴとリズムの小話集》 第1話:「止めようとしても止まらない自分」
14歳の時に出会ったカンディンスキーの絵。何十年越しで自分の中にも音が鳴っていることに気がついた。
makiart
2025.10.31
誰でも
前回のメルマガで話していた「流れに乗る」ということ。
「感じること」に重点を置いています。
音もグルーヴもリズムも「動きながら存在するもの」
今回から短編集のような感じで書いていきますね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
止めようとしても、止まらない。
それは欠点じゃなく、リズムだ。
考えが走り出すとき、 心は勝手にテンポを上げる。
「静まれ」と言っても、ドラムのスティックはもう動いている。
リズムを止めようとするほど、音は跳ね返って強く鳴る。
あるとき気づいた。
この止まらなさを敵だと思っていたけど、 もしかしたら
私の中で世界が鳴りたがっているだけなのかもしれない。
だから、止めるのをやめた。 代わりに、方向を変える。
紙に書く。線を引く。歩く。
拍が変わるたびに、思考の音も変わる。
それは、混乱ではなく即興だった。
止めようとしても止まらないものは、 止めるべき流れではなく、聴くべき拍。
そのリズムがあるから、私は今日も動ける。
そして今も、 心の奥で、 かすかな余韻が続いている
静けさの中に、音がひとつ跳ねた
またひとつ、またひとつ
無料で「今日も線はごきげん」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。
すでに登録済みの方は こちら