目は口ほどにものを言う
アクリル絵の具 感想で少しひび割れてしまっている。。
最近、過去に描いた絵を整理しようと思い立ちました。絵が増えてきて、そろそろスペースを確保しなければならない状況です。とはいえ、どの絵にも思い入れがあるので、ただ捨てるのは忍びなく、どうにかして残せないかと考えています。その結果、作品を写真に収めて本にまとめるのはどうだろうと思い至りました。物理的な重みは消えてしまいますが、それでも形として残るのなら、その方法も悪くない気がします。
そんな風に整理を進めていた時、ある一枚の犬の絵が出てきました。もう何年も前に描いたものですが、キャンバスの中の犬がじっとこちらを見つめている。その視線に、自分でも思わずドキッとしてしまいました。
実は私にとって、犬はとても身近な存在です。子どもの頃、家で柴犬を飼っていました。その柴犬もまた、静かにこちらを見つめることが多かった。彼らは言葉を持たない分、感情が目に表れやすいのだと思います。言葉で説明しなくても、目と目が合えば、何かが伝わってくる——そんな不思議な交流があった気がします。
その経験が影響しているのか、私は動物の目を描くことが好きです。動物の目には、その奥に秘められた何かが感じられます。目が「口ほどにものを言う」という言葉があるけれど、それは本当で、特に動物の目には驚くほど豊かな感情が浮かび上がる。キャンバスに描かれたこの犬の視線も、言葉の代わりに何かを語りかけてくるようで、ただの絵を超えた存在感があります。
この絵を描いた当時の私は何を感じ、何を伝えようとしていたのだろう?動物の目には、描き手である私の内面も映し出されているようで、今になって見返してみると少し照れくさい気もします。それでも、キャンバスの中で静かに息づくこの犬の目に向き合うと、やはり心が引き込まれていくのです。目は口ほどにものを言う——そんなことを教えてくれる一枚として。
「今の自分にとって何が大切か」を再確認させてくれているような気がします。
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